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崩れゆく家の中で思った。 “ここまでか”と。“これでよかった”とも思った。 轟々と燃え盛る炎が辺りを飲み込む。それは生き物のように動き、燃やし尽くす。これが見たかった。これで良かった。 ある昼下がり。私は家で1人だった。誰もいない日の昼下がり。ふと、ふと一瞬何か嫌なものがさした。それは私に“火”を使わせた。 カーテンに火をつけたらそりゃ燃える。それは分かる。でも私はカーテンに火をつけていた。“実験”である。これは実験だ。火をつけてどう燃えるかを見ている。燃え始めてからは早かった。一瞬で辺りを赤く染めた。 外が騒がしい。周りにたくさん人が集まってきて、消防や色々な人がやっ